1.プロジェクトマネージャのWeb Start 1998.10.20 by yas |
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「Webは発信」といわれるように情報メディアの一つであり、一般に広告と言われるデザインとストーリー性を伴う出版物として考えることができる。もし、依頼という形でWebデザインを受注したものであればそこには依頼者の目的というものが存在する。 広告はマスメディアと切り離すことはできなく、またデザインとも切り離すことができない。広告自身が人に何かのアクションを起こさせ、結果的にはその広告が目的とすることに人がアクションを起こしてはじめて広告は意味を持つ。それは人を媒介とする以上、マスメディアと決して切り離すことはできない。 人間の行動への深い洞察と、行動を予測し実現させるストーリーを構成する想像力が、Webを完成へと導くプロジェクトマネージャに最も必要とされる能力であり、それゆえWebをプロジェクトとした場合、最も大きな役割をになうことになる。 幸運にもクライアントが依頼を決定した場合、まずプロジェクトマネージャが十分な時間をかけて行わなければならないことは、クライアントからのヒアリング。作成にかかわる時間のほとんどを費やしてでも十二分に行う必要がある。十分に経験を積んだプロジェクトマネージャになると、クライアントの業種やWebへの力の入れ具合、納期といったものを総合的に判断し、みずからの想像したWebサイト構成の青写真へと近づける交渉へと、フェーズが進む。これは広告代理店のディレクターが使う手法で、成功例をもとにクライアントのWebサイトを構成していくのだから説明もしやすく、また作成ノウハウの蓄積があり納期も短時間、作成にあたるデザイン部門にもわずかながら歓迎されるやり方となる。 実際のヒアリングにより、業務やニーズを分析しWebをデザインしていく「正攻法」は、またダイナミックなWebページであればあるほど、サンプルを作ったときにクライアントの意向は変化し、なんらかの変更を加えたい誘惑にかられるためサンプル作成時の手戻りが大きく全部署に負担がかかる。 今後Web作成に必要となる素材集めや、今後の運用形態、更新、サイトマップといった青写真ができるのはこのヒアリング(Web作成導入)時期だ。クライアントの折衝の場に顔を出す機会が営業の者よりも多くなることがあり(営業も兼ねる場合は当然)、また時には即決で料金面の折衝が必要となる場合も起こりうることから、より大きな権利をプロジェクトマネージャは確保し、行動の自由を奪う障害を極力排除する努力を普段からしておかなくてはならない。1) こういったクライアントの意向を持ちかえり、Webサイト立ち上げに関係する全部署への協議の主導もプロジェクトマネージャは行う。お客へも頭を下げ、同僚にも頭を下げ、相反する意見を吸収しバランスをとることを要求されるけだが、作業振り分けもこのときに行う。このときに必要となるのが、「Webサイトの目指すコンセプト」の「明文化」である。2) この明文化は作業分担を単純化し、ときには並行して数社のWebデザインを手がけた場合、頭脳の切り替えをつなぎとめるガイドラインになる。また局所的な欠点も指摘しやすい。個人でWebデザインを手がけてる場合でもこれは有効な手法である。
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1) このくだりは、会社組織におけるネットワークシステム管理者が、ある程度政治的交渉力(上司との交渉力)をもっていないと間接的にシステムに影響してくるといった事例と奇妙に酷似している。(WindowsNTシステム管理者の眠れない夜) 2)このときの項目はサイトによって差異はあるが最低限以下のものになる。 1.クライアントの意向 (1)クライアントの技術レベル (2)Webを何につかいたいのか 2.Web対象者 (1)年齢・専門を検討 3.構成 (1)ユーザ参加部分 (2)Webサイトへのヒットのさせ方 4.デザイン (1)ユーザインタフェース(視覚・サウンド) (2)プログラミングの有無 (3)帯域 (4)最新のWeb作成テクニックの利用有無 5.更新 (1)クライアントが更新 (2)必要な更新の部分の切り分け (3)更新原稿の締め切りスケジュールと納期 6.マーケットの分析 (1)Webアクセスの分析 (2)競合するサイトの分析 (3)対費用効果の分析 (4)他システムを入れる余地(更なる受注へ) |
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