◆◇ SONY VAIOノート PCG-505R故障の旅 ◇◆

体験談

液晶ディスプレイにパネルについて
    「本機の液晶ディスプレイパネルは非常に精密度の高い技術でつくられていますが、黒い点があらわれたり、赤と青、緑の点が消えないことがあります。また、見る角度によってすじ状の色むらや明るさのむらが見える場合があります。これらは、液晶ディスプレイの構造によるもので、故障ではありません。これらの点をご了承のうえ、本機をお使いください。」(C)1997 by Sony Corporation

    SONYのノートPCを購入すると、以上の文がかかれた注意メモが添付されています。

    液晶はドットの色抜けや欠損がある程度存在することを購入時に覚悟しなければなりません。買ってみなければわからない、ということです。しかしそれは非常にリスクを伴います。なぜならば、電源を入れて、色テストをしてみないとどれくらいのドットが抜けているのかわからないのですから。

1998.12.18 この点何?
    11月に購入したVAIO 505Rの異変に気づいたのはこの日でした。VAIOノートの背景はデフォルトで青、背景画像はブルーのキレイなVAIO文字です。しばらく気にいっていたのでそのままにしていたのですが、ふと黒背景にしたとたん、画面中央に蒼い点があらわれました。「お、これがウワサのドット欠けか・・・」このときはそれで納得しました。どうも黒い色が出ないだけのようでした。
1998.12.21 あれ?1の字に見えるぞ
    自宅で使っているデスクトップPCの環境をVAIOへ移し替え、いよいよこのキーボードに慣れようか!と思い、テキストを打っていると蒼いラインが画面中央に出てきました。「見落としてたかー、3ドット連打でつながってたのか」と思ったが最後、だんだん「1」の字に見えてきてしまいました。これは幻覚じゃない・・・。
1998.12.22 販売店へ相談する
    量販店で買ったので、そこにまず相談してみました。すると、販売店では液晶ディスプレイの不具合の交換というのは基本的に行っておらず、またVAIOは売れ筋商品であるから店頭のものと初期不良交換というわけにもいかないので、なんとかしたいなら直接SONYの修理窓口へ相談してはどうか、という回答をもらった。「ううむ、これがひょっとしてタライ回しというヤツか?」ちょっとイヤな予感を覚える。遅いので次の日に修理センターへ電話することに決定。
1998.12.23 ソニースクエア札幌ステーション(修理センター)へ電話する
    とりあえず、SONY DRIVEから検索し、修理相談窓口(北海道)から電話番号を拾いTEL。「液晶ディスプレイのどまんなかに、蒼いドットのかたまりがあって1の字にみえるくらい気になるので不良品として交換してもらえないでしょうか?」との質問に、「それはひどい。受け付けますよ。お持ち込みでもVAIOテクニカルセンターの宅配でも受け付けますよ。」とのこと。ををっ!光がみえた!
1998.12.24 正午:ソニースクエア札幌ステーション(修理センター)へ持ち込む
    SONY札幌ビル1Fを訪問する。「画面のスミとかなら許容範囲があるので交換はムリでしょうが、受け付けることはできます。年内の修理はおそらく無理ですが、受けつけ上の問題点は修理期間のみだけなんです。VAIOの場合テクニカルセンターがあるのでそちらで詳しく症状をお話になれば詳しく知ることができますよ。」とのこと。また、「年末年始はどうしても使いたいので、特にドット抜け以外は問題ないので修理は年明けにだしたい」との問いには、「1年間保証なので、年末に出すのであれば、年始も一緒ですよ」とのこと。また、テクニカルレスポンスセンターのTEL、FAXを教えてもらう。いやはや、消費者本位だし親切だ。ちょっと好感を覚える。VAIOは持ち帰る。
同日午後 そりゃないよ〜。えええっ!
    テクニカルレスポンスセンターへ電話。「液晶ディスプレイの不具合に関して技術上の限界なので、症状に関わらず交換は一切しておりません。添付の書類にも書いてあります。問い合わされるお客さまに対してはすべてお断りしています。」とのこと。がーん・・。しかし非常に痛いところらしく、事務的でハキハキしていた受付担当が子供じみた言い訳をしたのには驚いた。
    「液晶ディスプレイの欠陥が技術上の問題だというチラシは、買ってからじゃないと見れないじゃないか?変じゃないか?」と聞くと、「パンフレットにも書いてあります。」という答えだけが即座に返ってきた。おい。それは消費者が無知だと言ってるのと一緒だぞ。頭に血が上ってきそうになったので、頭を冷すために電話をきる。担当の名前を聞き直すべきだった・・・。
同日夕方 増えてる・・・。
    まぁしょうがない、食い下がってもしょうがない。これからも長いつきあいだとばかりにVAIOの電源を入れる。あう・・・。ドット抜けが更に1ドット増えて、「・1」ってカンジになってる。しかもこの点は赤・青に点滅してる〜。これを見た上司曰く「一等星のような瞬きだね」そりゃないよ〜。
同日夜 戦争だ!
    いろんな人に見せてみると、「ドット抜け増えるなんて変。個人消費者をなめてるんだ。要求書かいてみれば。ホームページで抗議だ。」との助言。ふつーの人が見てもやっぱりおかしいらしい。ちょっと強気になり、FAXを送ることにする。(電子メールを送りたかったが適当なアドレスがみあたらない。)タイトルは「SONY VAIO PCG-505R液晶ディスプレイの不具合について」要約すると、以下の点からなる。

    • 経緯(相談した相手先〜ソニースクエア札幌ステーション・テクニカルレスポンスセンター)
    • 症状(ドットが1の字のように見える)
    • 交換を断られたことに対して納得がいかないというこちらの気持
    • 液晶の生産仕様の公開
    • 本件を私がホームページで公開するという予告
    • 文書として残る回答を要求

    要するにクレームともいう。
12月25日昼 FAX送ってしまった・・・。
    テクニカルセンターへ2度目の電話。カスタマー仮登録をしていたのでスムーズに。というか、ナンバーディスプレイに対応した問い合わせ履歴をとっていてそれをどの担当でも見ることができるシステムを構築済みなのか。SONYの大きさは顧客管理一つとっても違うなぁ。とちょっと感動する。しかし、消費者にとって今回のような場合、同時に全ての担当者を敵にまわすということを意味するのだ。違う担当にも「液晶の不具合は関知しません。」との回答をもらう。(今回はちゃんと担当者名をメモった)前の担当がきちんと顧客対応履歴を入れていれば、相反する答えは絶対しないだろうと予測はしていたので、今度はFAX番号を教えて欲しいと聞くと、「当センターでFAXは一切受け付けません。」おい。ちょっとキレてしまい、SONY VAIOで最初に目に入ったFAX番号に送ることにした。
    SONYへのクリスマスプレゼントになってしまったのだ・・・。
12月26日昼 自宅
    自宅にSONYから電話がくる。寝てました。クレームに対しては文書で回答はしないとのこと。仕様としては99.99%のピクセルが生きていることが条件。ピクセルを構成するトランジスタは40数個からなり、均一な半導体結晶を確保するのは非常に難しく、詳しくは一般の人には教えられないとのこと。
    で、「ドット抜けが増えていくし、キラキラ青赤に光る」症状を再度言うと、一旦電話を切って内部で検討するとのこと。再び電話がかかってきた。それは故障なので日通航の宅急便で新品を明日送るとのこと。え?
    一瞬で理解しました。私はただのモノネダリの個人消費者の烙印を押されたのです。もともとクレームFAXは逃げ道が無い文を書きました。交換しないのは納得がいかないから、生産仕様を教えなさい。ホームページで公開するから。という趣旨で。しかし今回、あえてFAXに書いた以上の故障状況を主張することによって、SONY側の譲歩を引き出し、暗に交換を要求するような状況を作り出してしまったのです。問題の解決には双方の譲歩が必要ですが、私はこの場合、交換さえしてくれれば問題解決になるという恥も外聞も無い行為をしてみせたのです。
    いや、冷静に考えると実はただの故障で、いろいろ調べた自分の行動自体が無駄足だったのかもしれません。それに交換してくれれば、私はとりあえずハッピーになれるし、傷は比較的浅く済みます。SONY側の交換の決断は最善では無くともベターな策であると思います。

    ところが、これだけでは済まなかったのです・・・
12月27日午後 自宅
    は、はやいっ早すぎる!もう手元に新しいVAIOが届きました。配達は午前11時に一度きていたようです。早すぎてちょっと恐い。一抹の不安。しかし新しくなってラッキー。葛藤の中、新品VAIO505Rの箱をあけ、中身を取り出しびっくりしました。なんで濡れてるの・・・。
    電源を入れ、OEMコードを入れるといつものwindows画面がでてきたのでまず気になるドット抜けチェック。これで抜けてたらさすがに凄いな、と思ってみてみると、

    ・・・またドット抜けてる(真ん中上。赤色ばばーん白色ばばーん)
    いくらなんでもそういうのアリ?そんなに技術の限界をアピールしたいの?
同日夜 
    まぁ前よりは小さいし、いいか。とあっさり納得(というかすぐに環境構築してあしたからの仕事で使いたい)して、電源を一度きり、FDをつなげてUSBマウスとLANカードのドライバを入れようと電源を入れ直す。「ぴぴぴぴぴ・・・」おい。なんだこの音は。Win98は立ち上がったが、スタートボタンがきかない。再度電源を切り、FDをはずしてブート。今度はアルファベットキーがきかない。しかしポインタは効く。キーが押しっぱなしになっているような気がするので、メモ帳を開いてみる。「;;;;;」セミコロンが連打されてる。何故?再度電源を切り、ブート。「ぴぴぴぴぴ・・・」立ち上がらない(汗。しかも、今度はキーが全く効かない。ほおっておくとWin98の雲画面までいって固まった。最初の電源いれたときだけしかまっとうに動かなかった。4回電源いれたが、だんだんキーがきかなくなっていってOSが立ち上がらなくなった。一体・・・。もう28日の仕事には使えない。早い対応には申し訳ないけど、この交換してくれたVAIO、壊れてると思う。故障品は別の故障品と交換なのだろうか?
1998.12.28 え、故障じゃない?
    再びテクニカルセンターに半ギレ状態で電話。すると返ってきたこたえは意外にも、対処方法があるということであった。それはまず、
    1.バッテリパックをはずしパワーを入れる
    2.画面が固まるまでほおっておく
    3.本体裏の小さい穴に細い棒をえいっと差す>パワーが切れる
    4.電源をはずし、20〜30分放置する
    5.電源を接続しパワーを入れ、F2キーをたんたんたたく
    6.BIOS画面が出たら、EXITメニューを選び、Default Valueを選ぶ
    7.SAVE(change)を選ぶ
    これでなんとかなるらしい。本当なのだろうか。試したところ、なんとキーが復活し、OSがきちんと立ち上がるようになった!しかし、依然「ぴぴぴぴぴ」は鳴り続けるし、windows98が立ち上がる前には「コマンドまたはファイル名がみつかりません」という画面が出るようになった。前のVAIOはそんなことはおきなかったが・・・。
1999.6.3 その後
    現在VAIOノートは元気に動いています。その後が知りたいとメールをたくさんいただきましたが、電話でこちらから問い合わせない限り、SONYから情報の提供は一切してはくれませんでした。悪い解釈をするといくらでもできてしまうのでもう詮索はしないことにしました。(いわゆるあきらめ状態)。SONYの対応には何も期待できるところは無いというふうな結論に私の中では解決したので、とりあえずOKです。
    結局VAIOカスタマー登録は仮登録だけで、それ以上は行いませんでした。保証期間は3ヶ月ということになってしまったので、もう保証期間外というわけで、致命的に壊れた場合有償修理となりますが、修理はしないで他メーカの製品を買うことにしました。
    前評判のいいメーカーのものをきっちりと買うことが、こういったトラブル防止のためには重要だと感じたからです。
    ちなみに、ぴぴぴなり続け事件は、どうもバッテリパックと本体の接触不良が原因。ちょっと本体が歪んでいるのが原因なので、押さえつけて電源をいれればあとは普通に使えます。
    SONY製品は必ず保証期間を切れたときに故障するように作られているというウワサについてですが、全くそんなことは無いと思います。ホームページの掲示板などにもよく似た投稿を見かけるのですが、壊れた製品について、メーカーが責任を負わないということを拡大解釈した根拠に乏しい中傷行為だと思いますので認識を改めましょう。問題なのは、壊れていた場合のSONY企業としての対応があまりにも消費者をびっくりさせるということだけです。
    以前、弁護士の方からメールをいただいたときの受け売りなのですが、毎日のようにVAIOのコマーシャルがTVでやっていますが、こういった直接的な収益拡大CMや宣伝広告に多額の投資をするわりにせっかく買ってくれた消費者への対応があまりにも稚拙なのは企業倫理に反し、決して誉められるものではないと思いますね・・・。

サマリデータ
    当ページHit数6818件 (1998.12.27〜1999.7.16) 平均 30Hit / 日
    電話をかけた回数販売店へ(2回)、サービスセンターへ(1回)、テクニカルセンターへ(3回)
    電話を受けた回数SONY (2回)
    送ったFAXA4 一枚
    訪問したサービスセンターの数1社 (1回)
    交換台数1台 (1回)
    要した労力等日数 10日間、実質工数 2人日 ( 15時間程度 )、電話代
    信頼回復度交換品も再度ドット抜けアリ・ケース歪みで信頼回復ならず。
    ホームページ開設後
    VAIO故障について
    メールを送っていただいた人数
    9人 (掲示板 3名を含む) [ 1999.7.16現在 ]


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